ブログ金沢城と兼六園日記

橋爪門最新情報!

2014-10-06

橋爪門の復元工事は、土塀についてはほぼ終了し、二の門も建具等の取り付け工事を残すばかりで、

今後は、通路の舗装や、 外回りの園地整備が主体となってきます。

現地を取材してきましたので、最新の状況を写真でお知らせします。

下の写真は、橋爪一の門で、この門を通って、枡形の内部に入ります。

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一の門を潜るとこのような景色が広がります。

これが橋爪門の枡形内部で、面積445㎡と、河北門(255㎡)や石川門(272㎡)の倍近い広さがあります。

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角度を変えてみると少し広さが分かるでしょうか、右奥が二の門です。

土塀の高さは、下部の石垣と合わせて平均で5.7mあります。 

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二の門を正面から見たアングルです。

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二の門のアップです。真ん中に人が立っているので大きさを比べてみてください。

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裏側(二の丸側)からは、このように見えます。左右に開いているのが、大扉です。

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続いて、二の門の中に設けられている番所(番人が詰めていた小部屋)の内部です。

右端に見えている階段で、2階部分と行き来したと考えられています。

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階段を上(2階)から見下ろしたところです。大変急勾配(約70°)なのが分かるでしょうか。

この階段は急すぎるので、一般の方には御利用頂けません。

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そのため、今回、橋爪門続櫓と橋爪門二の門(2階)の間に開口部を設けて、安全に出入りできるようにしましたが、実際には(史実としては)、橋爪門続櫓と橋爪門二の門は内部はつながっていなかったと考えられており、それぞれの床の高さに1.6mの段差があります。

その段差を解消するために設けた階段が、下の写真です。

手前が二の門、奥が続櫓です。

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二の門2階の全景です。奥に今ほどの階段が写っています。

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このように建物本体はかなり仕上がってきましたが、未だ外回りの工事があるため、完成は来年春の予定です。

内部をご覧頂くにはもう少しお待ち頂くことになりますが、外観は公園の園路からも十分見ることが出来ますので、皆様のご来園をお待ちしております。

雨の日の情景

2014-10-03

今日は午前中は小雨、午後から曇り、夕方から晴れ、とめまぐるしく天気が変わりました。

そんな中、雨の日ならではの情景を集めてみましたが、如何でしょうか?

皆様のご来園をお待ちしております。

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モミジの葉もみずみずしく。

 

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山崎山の手水鉢も雨に打たれてしっとり。

 

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スギゴケ(オオスギゴケ)

 

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スダジイの古木は、深い森に迷い込んだよう。

 

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サンシュユの実もほんのり色づき始め、

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サンザシの実は、真っ赤に熟しました。

 

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流れはよりいっそう清らかに感じます。

 

石川門周辺園地

2014-10-03

先日、石川門の保存修理に合わせて、園地をリニューアルしたと書きましたが、場所が分からないという声があったので、再度、取り上げたいと思います。

リニューアルした場所は、兼六園側から石川門を潜って、三の丸広場に出たところの左手、具体的には、下の金沢城公園平面図の黄色の矢印の部分になります。

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下の図面は、リニューアルした場所だけを拡大した整備平面図です。

この図面の灰色に着色した箇所が人が歩ける園路で、園路沿いに花壇を設置し、残りは芝生の園地となっています。

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三の丸広場から見た園地の入口付近です。

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下のように木漏れ日の中を園路は進みます。

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園路はゆるやかにカーブしながら概ね石川門の土塀に沿って進んでいきます。IMG_2321

 

この辺りは、少し盛土をして高くなっているので、ここから、五十間長屋の方を眺めると、三の丸広場入口からの景色とは少し変わって新鮮に眺められます。

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更に進んでいくと、やがて、本丸方面へと続く幹線の園路と合流します。

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合流点付近からは、金沢城でもっと古い、文禄年間(約400年ほど前)に築造されたとされている石垣(野面積み)を眺めることが出来ます。

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このように、短いながらも変化に富んだ景色が眺められますので、是非一度、歩いてみては如何でしょうか?

皆様のご来園をお待ちしております。

 

秋晴れ

2014-10-02

昨日の金沢の最高気温は26.1度でしたが、風がとてもさわやかでした。

先日、外国人観光客の数が、過去最高だった昨年を大きく上回るペースで増えているという新聞記事が出ていましたが、園内を歩いていても本当に多くの外国人の方を見かけます。

皆様のご来園をお待ちしております。

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青空に映える石川門(二の門)

 

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霞ヶ池の水面もとても涼しげ

 

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最近は欧州の方もよく見かけます。

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カップル、家族連れ、グループなど外国人観光客も様々です。

 

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噴水をバックに記念写真。

 

 

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加賀藩の美意識?

2014-09-30

先日アップした、下の写真を見た人から、橋爪門続櫓と橋爪門の屋根の色が違うのはなぜかという質問があったので、説明したいと思います。

金沢城の屋根瓦は、普通の焼き瓦と異なり、木型の上に厚さ1.8mmの鉛の板を巻いた、鉛瓦というものを使用しています。

その鉛瓦は葺いた当時は文字通り鉛色をしているのですが、年月を経て風雪にさらされていくうちに、次第に白っぽく変色し、海鼠塀と一体となった優美な姿を醸し出すようになるのです。

 

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奥の続櫓と手前の橋爪門では、明らかに屋根の色が異なる。

 

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鉛瓦を屋根に葺いているところ

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同鉛瓦を葺いているところ

 

鉛瓦を使った理由は、美観上良いからというものの他に、戦時に鉛を溶かして鉄砲の玉にする、屋根を軽くする、など諸説あり、本当のところははっきりしていませんが、見た目を重視する金沢の気質を思うと、美観上という理由も十分有りかな、と思っています。

ちなみに、ある南の方の市町が、金沢城で見た鉛瓦の美しさに惚れ込んで、公共施設の屋根に鉛を葺いたところ、白くならずに、茶色く変色してしまったそうです。金沢の気候風土なども微妙に影響しているのかもしれません。

 

美観を意識したもう一つの例を挙げると、下の写真は、五十間長屋の三の丸側の外観ですが、外を見張る際になるべく死角が出来ないように、窓の位置が上下で交互に並んでいます。

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窓の位置が1階と2階で交互に設置されている

 

一方で、同じ五十間長屋の二の丸御殿側は、下の写真のように、見た目を優先して、窓の位置が揃っているのです。

こんな所にも、加賀藩の美意識の一端が窺えます。

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二の丸御殿側は、窓の位置は1階と2階で揃っている。